共同ブログ

感想を言うことと決めること

「決定」のハンコ

A「この店来たことあるんだよね?」
B「ありますよ」
A「どれがおいしい?」
B「人それぞれではないですか?」
A「前どれ食べたの?」
B「これですけど?」
A「それおいしい?」
B「だから好みは人それぞれですよね?」
A「どれがオススメとかある?」
B「好きなの選べばいいのではないですか?」
A「いろいろあるから迷うなあ」
B「いろいろありますね」

こういう会話って、Bさんが「私は前回これ食べておいしかったですよ。濃い味なんで、濃い味が好きなら選んでいいと思います」とか言えば、Aさんが選ぶのもすぐに済むんじゃない?
しかもそれは命令じゃなくて、単なる感想を言っただけだから、Aさんがそれを選んでおいしくなくてもBさんには責任がないし。
それに、Aさんは決めてほしいんじゃなくて、情報を欲しくて言ってるだけだから、相手を尊重して言わないとかじゃなくて、言えばいいんじゃない?
好みは人それぞれって当たり前で、そのうえで、選ぶ参考にするために聞いてるんだから、情報を言えばいい。

例えば、

A「この店来たことあるんだよね?」
B「ありますよ」
A「どれがおいしい?」
B「これが一番人気なんですけど、私は食べたことないです」
A「前どれ食べたの?」
B「これです」
A「それおいしい?」
B「おいしかったですよ。ソースとケチャップとマヨネーズが大量にかかってる濃い味付けなので、そういうの好きならおいしいと思いますよ」
A「そっかー、濃い味付けねえ。そこまで濃いの好きなわけじゃないからなあ。どれがオススメとかある?」
B「前回はその濃いの食べておいしかったんですが、まあ、普通の味覚の人にこの味付けは濃すぎるので、こっちのハーフアンドハーフってやつがいいですよ。味付けがそこまで濃くないし、2種類の味を楽しめるのでいいですよ。食べておいしかったですよ」
A「選ぶの時間かかりそうだから、それ試してみるわ!」

みたいな感じ。

「私はどれを選べばいいですか?」みたいな決定を委ねるような質問には「好きなの選んで」でいいけど、「どれがおいしいかな?」みたいな質問には「これおいしいですよ」みたいに答えたらいい。

ちなみに、決定を委ねるような質問っていうのは、

A「この店来たことあるんだよね?」
B「ありますよ」
A「どれ選べばいい?」
B「ハーフアンドハーフがおいしいですよ」
A「それ選べばいいの?」
B「好きなの選べばいいですよ」
A「どれがいいの?」
B「濃い味付け好きなら、これもいいですよ」
A「それでオッケーなの?」
B「私が選ぶのではないですから、オッケーとかはないですけど」
A「どれがオッケーなの?」
B「一番人気はこれです」
A「それでオッケーなの?」
B「いや、別にオッケーじゃなくて、単に一番人気ってだけなんで、まあ大半の人はおいしいって感じるんじゃないですか?」
A「それ選んだらいいんだよね?」
B「別に好きなの選んだらいいですよ」
A「振り出しに戻ってませんか?」
B「え、なんですか?」
A「話が最初に戻ってますよ」
B「私が決めるのではないから」
A「そんなこと言わないでくださいよ」
B「濃い味の好きな人はこれがいいとかはありますけど、別にオッケーとかはないですよ。Aさんはどんな味付けが好みなんですか?」
A「好みとかじゃなくて、どれがいいんですか?」
B「一番人気はこれですけど」
A「それ選べばいいんですよね?」
B「いいんじゃないですか?」
A「どうなんですか?」
B「いやだから、選べばいいんじゃないですか?」
A「いいんですね?」
B「知らないですって」
A「何がですか?」
B「どれを選べばいいとかって」
A「冷たいですね」

みたいなの。
こういうのは、冷たい・冷たくないじゃなくて、感想や情報は聞いた上で決めるのは自分だから。相手が「これがいいよ」って言って「それにしよう」って答えて決める場合も、決めるのは自分だから。相手が決めて自分はそれに従っているだけだから責任はないみたいな話ではない。それに食べ物を決めるだけで責任とかはないから。A「それ選べばいいんですよね?」B「いいんじゃないですか?」で、Aさんがそれに決めた場合も、決めたのはAさんだから。
Aさんにとっては強要されるレベルじゃないと、自分の責任回避ができないと思って、Bさんから「これにしろ!」って怒鳴られるまで決めないんだと思う。

B「これにしろ!」
A「そうですか。それにします」

なら、Aさんは「私はBさんから命令・強要されて選んだので、選んだ責任、味の責任、全ての責任は私にはないです。私は被害者です。私は悪くないです」みたいな考えになって、安心するんだと思う。
でも、これを選んだら善い・悪いとか、被害者・加害者とかはないと思う。好きなの選んだらいいし、迷うなら感想聞いて選べばいいし。

2022年2月13日 日曜日 おいなり

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