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参加者数が…

頑張るポーズをする男の子

参加者数が少なくて、ちょっと凹み気味のおいなりです。

「自助グループ」は、「居場所」とは違うから、ボーッと居る場所ではなくて、他の参加者の話を参考に自分の新しい行動に繋げる場所です。
自分の状況を良くしていこうとする人のための場所です。
自助グループでの自己紹介の時間には、前回参加した日から今日までの間に何か新しいことをしたか言い合います。
他の時間はダラダラ話す感じですが、自己紹介の時間は、大事なことだけ話すので、緊張感があります。
他の人の話すこと、近況報告を聞けば、「自分も負けてられないな」「あの人が頑張ってるなら自分も頑張ろう」という気持ちになります。
いい刺激になって、マンネリ生活から抜け出せます。
ひきこもってる時は、全然刺激がありませんが、自助グループに行くと結構刺激を得られます。
その近況報告も、社会的に地位の高い人のではなく、自分と似た状況の人、ひきこもり経験した人のなので、劣等感は覚えません。
自分と他の参加者が似てるから、親近感が湧き、自然と「自分もやってみよう」と思えます。
無理なく新しい行動に繋げることができます。

というわけで、来てください。お互いに自分の最近の状況などを話しましょう。

2017年11月8日 水曜日 おいなり

権力闘争劇

少女2人を誘拐しようとするサングラス男

最近、ぬいぐるみとミニカーを使った話作りにハマっています。
画像は、自分の要求を飲ませるために、相手の孫を誘拐・拉致しようとする場面です。
少女2人を拉致しようとするサングラス男

皆さんの、最近ハマっていることは何ですか? 「お昼です!」の会場でぜひ教えてください。

2017年10月29日 日曜日 おいなり

気分転換の方法

汗取りマット

皆さんは、気分転換のためにどんなことをしてますか?
下に私のしてることを書きます。
皆さんのしてることを、ぜひ「お昼です!」の会場で教えてください。

1.布団の敷きパッドを換える。
全裸で寝る私には、汗びっしょりの敷きパッドは不快で安眠できないので、換えます。

2.バリカンで散髪をする。
髪が長いと汗が乾きにくかったり、気になって触ってしまうので、バリカンを使って風呂場で短くします。

3.ガムを噛む。
緊張すると口を閉じるので、口を閉じないようにガムを噛みます。

4.砂糖入りのジュースではなく、緑茶を飲む。
砂糖入りのジュースは刺激が強く、飲んだすぐは満足感がありますが、すぐに体がだるくなるので、刺激の弱い緑茶を飲みます。

5.自分のしたことや思ったことを書く。
自分の日々の行動や思いを振り返るために、それをSNSに書きます。

6.自己啓発本を読む。
月刊誌『PHP』(205円)で、芸能人やスポーツ選手や歌手などの苦労話を読み、「苦しいのは自分だけ」という孤独な気持ちを和らげます。

2017年10月14日 土曜日 おいなり

助言と批評禁止

怒る熊

「お昼です!」で助言と批評を禁止にしてるのは、「お昼です!」が「自助グループ」だからです!
自助グループは、自分の状態を改善させる集まりなんで、「人にアレコレ言わず、その内容自分で実行して下さい」ということで助言は禁止。
自助グループなんで、「人にアレコレ言わず、自分にアレコレ言って下さい」ということで批評は禁止です。

オバマ批判はできても『自分の明日』は語れない引きこもりに多い“セカイ系”の不思議な生態

この記事、説得力あります。政治批判とか政治批評とかいいから、自分のことを話しましょう!

自分の「これまで」を話し、自分の「これから」に向けた、自分の「今」の気持ちや状態を話しましょう!

2017年7月18日 火曜日 おいなり

更新が…

及成大麿(おいなりでかまろ)選挙に立候補! 「安心できるベッドタウン奈良へ!」

ブログの更新してなかったんですが、自助グループの活動はしてますよ。
私は、地元の選挙の投票に行きました。
皆さんは、何をしましたか?
集まりに参加してぜひ教えてください。

2017年7月10日 月曜日 おいなり

自助会の必要性

男女の話し合い

自助会、自助グループって、似た人同士の近況報告会。
ひきこもりだったら、就活とか、仕事とかでうまく行かず、ちょっと凹んでそれが慢性化・マンネリ化した時に、そこからの脱出のために行く所。
だから、別に重症な病気や障害に陥ってないけど、回復のためのちょっとした手立てが必要な時に行く所。
存在しない音や物が聞こえたり見えたりするなら、「怖っ! ちゃんとした専門機関行ってください」ってなるけど、そんな重症じゃないけど、「なんかなー」って楽しくもない場合、似た人と話せる場所があると、結構気分が晴れる。
似た人だから別に、「相手と自分は全く別の世界の人間って思って共感もできない」ってこともない。
似てると「自分と似たような人がいるんだなあ」と思えて、「このことで困ってるのは自分だけじゃないんだ。一人ぼっちじゃないんだ」と安心できる。
その人の話すことに「あるある。自分もそうだ」とか共感できる。
しかも自助会は、別にカウンセリング受けたり心理学の講義を受けたりする場所じゃないから、参加費も300円か500円ぐらいで安い。
自助会ではカウンセラーとか講師の話は聞けないから、「効果あるのか?」「専門家の世話になったほうがいいんじゃないか?」という疑問もあるけど、似た人同士の集まりでも、競争意識が生まれるから、回復に向けた新しい行動への刺激になる。
「傷の舐め合い」と言う人もいるけど、別に、慰め合う関係ではない。他の参加者を励ましたり助けたりする関係じゃなくて、他の参加者の話を聞いて、それを参考に行動して自分を助ける集まり。
少し弱ってる時は、自分と似た人と話すと気分転換になっていい。
そういう場所はコンビニ並みに必要だと思う。

2017年4月26日 水曜日 おいなり

ゲーム狂

戦士

私は、小さい頃、ビデオゲームばかりしていました。

忍者じゃじゃ丸くん
がんばれゴエモン
アーバンチャンピオン
ドラゴンクエストのシリーズ
ファイナルファンタジーのシリーズ
ファイナルファイト
グーニーズ
スパルタンX
くにおくんのシリーズ
グラディウス
パロディウス
ツインビー
ドラえもんのシリーズ
いっき
魔界村
パックマン
ディグダグ
ボンバーマン
ドルアーガの塔
迷宮組曲
高橋名人の冒険島
悪魔くん
スーパーマリオブラザーズのシリーズ
マリオカート
忍者ハットリくん
妖怪道中記
さんまの名探偵
ストリートファイター
ゼルダの伝説
サンサーラ・ナーガ
聖剣伝説
クロノ・トリガー
マザー
ゲゲゲの鬼太郎

などをしていました。

2017年4月22日 土曜日 おいなり

ジェンダーの本

『モテる構造』

最近、ジェンダーの本読んだ。
「普通」って思ってることが、実はこういう構造・仕組み・背景があって、普通じゃなかったんだと思えて面白い。
男同士は弱みを見せにくいらしい。男同士は競争する関係だから、弱いところを見せにくいらしい。男は上下関係だから。
「なるほどー」と思った。
自分がどんなものにも拘束されずに自由に生きてて、自分の感情も自由なものだと思ってても実は違って、それは社会的・文化的・経済的に作られたものだってことが分かって面白い。
感情・本能みたいなものも、社会的な仕組みによって作られてるんだなあ。

2017年4月21日 金曜日 おいなり

自助会殺人事件

殺人

これは、さっきのとは別の人に書いてもらったひきこもり小説! 暴力表現あります!


 白柳二郎は普通の青年だった。教育熱心な両親に育てられ、頭もそこそこ良く、無事に大学まで出られた。
 しかし就職活動がうまくいかず、その反動は大きかった。自室にひきこもり、ゲーム機のコントローラーを握ってぼやく。
「ゲームはうまくやれるのにな……」
 教育熱心だったはずの両親はこんな息子になにも言わない。失望の気持ちが大きいのだろう。
 むなしくモンスターを虐殺していくが、油断したのか殺られてしまう。舌打ちしてコントローラーを放り投げる。それから寝転がり、しばらくぼーっとしていた。
(このままじゃいけないよな……)
 おもむろに起きあがり、パソコンに向かう。求人情報を検索していくが、どれもピンとこず溜め息を吐く。
 今日も検索するだけで終わりそうなところ、二郎は今まで検索してこなかった『ひきこもり』というワードをなんとなく入力してみた。
「自助会……?」
 シンプルなレイアウトのサイトの『ひきこもりで悩んでいる方へ居場所を!』という謳い文句が目に入った。

 救いがあるかも知れないという期待と、久々の外での交流に緊張を覚えながら二郎は自助会へ向かった。参加者は若い女性から、男性、頭の禿げあがった中年、髪も髭も伸び放題の仙人のような人もいて混沌としている。
 自己紹介もそこそこに、みな次々と喋りだす。
「私が引きこもりになったのは……」
「僕は……」
(だめだ、ついていけない)
 自助会のルールは言いっぱなし、聞きっぱなしである。二郎は話すタイミングが掴めず、黙ってしまった。ほかにも俯いて黙ってしまっている人はちらほらいる。
(やっぱり、こんなの意味ないか)
 話し合いが終わり、参加者の大半が二次会へ向かうムードになる。
(なんで二次会行けるんだよ。ひきこもりが……)
 そう心の中で毒づきつつ、二郎は自助会へ背を向けた。
「あれ、あなたも二次会参加しないんですか?」
 女性の声に振り向く。地味な顔立ちにメガネをかけていた。
「ああ……打ち解けられそうにないし、お金もないしさ」
「私と一緒ですね」
 女性がふわっとメガネ越しの目を細めて笑う。地味な容姿だが、その笑顔は魅力的に映った。
(確か、自己紹介のときに岡田真理亜と名乗っていたっけ)

「二次会とか苦手で。騒ぐのとか」
「僕もだよ。ひきこもりになってからすっかりコミュ障だし」
 それから何回か自助会に参加し、毎回二次会には出ず、二郎と真理亜はスーパーのフードコートで話していた。無料の水を飲み、マックのポテトをつまみつつ。
 SNSの日記に自助会で出会いがあったことを書いたら『マルチ商法の勧誘だろう』とコメントされてしまったが、勧誘してくる様子はなかったから二郎は安心して楽しく真理亜と交流している。もう連絡先も交換し、仲は深まっていった。
 そして自然に、男女の関係に発展していく。割り勘で入ったラブホテルのベッドの上で、真理亜は二郎の背中に手を回し、目を潤ませながら言った。
「やっと、ずっと愛し合える関係になれた……」
 このとき、二郎はまだ知る由もなかった。真理亜はマルチの勧誘なんかよりも、ずっと恐ろしいのだと。

 スマホの着信音が鳴り続けている。
「もう、なんなんだよ!」
 叫んでも、LINEの既読を求める鳴き声はやまない。
 二郎は女性と交際したことのない童貞ではない。秒単位のような間隔で連絡を求めてくる真理亜の異常性にすぐ気づき、自助会へは行かなくなった。
 しかし距離を置いたことで真理亜の連絡攻撃は苛烈なものになった。SNS上の知り合いから『真理亜って人から二郎くんはどうしていますか? ってメッセージが何通もくるんだけど』と教えられたときは肝が冷えた。
 スマホの着信音が突然止む。ほっとしていると、母の声が聞こえてきた。
「二郎、お客さま」
「客?」
 ひきこもりである自分に来客だなんて、誰だろう……と訝りながら玄関へ向かって、二郎は腰を抜かしそうになった。
「二郎くん、自助会に全然顔出さないじゃない。私の連絡も返さないし、どうし……」
「帰れよ! どうやってうちの住所調べた!?」
 怒鳴ると真理亜の肩がびくっと跳ねる。構わず真理亜を外へ突き飛ばす勢いで追い出す。
「きゃっ!」
「お前とはもう終わりだ!」
 閉じられたドアを真理亜は尻餅をついたまま呆然と眺めた。
「どうして? せっかく愛し合える関係になれたと思ったのに……」

 それから二郎のスマホはすっかり沈黙した。しばらくしてから一通だけ真理亜からメッセージが届く。
『今までごめんなさい。最後に一度だけデートしてくれないかな?』
 時が経ったおかげか二郎も冷静になっており、自分もひどかったかな……と思い、了承した。
 近所の山へハイキングという真理亜の希望も呑み、当日会った真理亜は笑って二郎を迎えてくれた。やはり、真理亜の笑顔は魅力的に映り、二郎は楽しく過ごせた。
「休憩しよう」
「ああ」
 やり直せるかも知れない、と思いつつ真理亜から差し出されたジュースを飲んだところで二郎の意識は途切れる。

「あなたが悪いんだからね」
 睡眠薬で昏睡している二郎の首を真理亜はロープで絞める。笑いながら。
 アル中の父に殴られ、母は見て見ぬふり……
「私を愛してくれないから……」
 幼少の頃をなぜか思い出す。数回痙攣して息絶えた二郎から離れた。
「これからどうしようかな……また自助会に行こう……今度こそ私を愛してくれる人、探さなきゃ」
 愛に飢えた女は魅力的に見える笑顔を浮かべながら、独り言ちた。


2017年4月14日 金曜日 おいなり

またまた、ひきこもり小説

扉

ひきこもりの小説を書いてもらった! 「十字 秋人」さんに書いてもらった! 暴力表現があります!


 扉が叩かれる度に、怖いくらいにひしゃげるのが視界の端に映った。
 自室の隅に蹲り、いつ扉が破られて”先生”が入ってくるのだろうと、私はビクビクと怯えながら横目に窺った。
 どうして、なんで、こんなことになってしまったのか。考えても、考えても、私の頭では上等な説明が思いつかない。こんなことなら、学校に行っていた方がマシだったな……なんて、今さらどうしようもない。

○ ● ○

 小学生の頃は、うまくやれていた。
 多くはないが、友達と呼べる人たちも周りにいたし、親しく話せるクラスメイトもいた。なにより、普段の自分のままでも仲良くできる人がいた。
 それが、中学に上がるのと同時に、私を囲う人たちの雰囲気が変質していった。

 ノリがよくなければならない。
 仲間内と同じものを好まなければならない。
 流行ものを知らなければならない。
 輪の中から外れてはならない。

 無言で、当たり前のように突き付けられる理解しがたいルールに、私はすぐに追いつけなくなっていった。
 もとから一人でいることも好きだったこともあり、どこのグループにも属さず、ふらふらとあっちへ行ったり、こっちへ帰ってみたり。初めはそれでよかった。
 けれど、周りの空気が少しずつ変化していったことに気が付いた。

 近くの席の子が、私の方を見なくなった。話す回数も少なくなり、最後には一日のうちに挨拶すら交わさない仲になった。
 話さなくはなったが、私の方をちらちら盗み見しながら、楽しそうに笑いあう子たちの姿が多く見られるようになった。そのくせ、私が近づくと、嫌そうに鼻にしわを刻んでその場を立ち去る。

 なんだか居心地が悪くて、私は学校を休みがちになった。
 幸い、両親も深く追求することはなく、私の思う通りの毎日を送ることができた。
 もとから優しい両親で、私が何かを自分でする前に、何でも先回りをしてくれる。

 が、それもだんだんと鬱陶しくなり、自分の時間が削られているような気持になり、何度も八つ当たりを繰り返した。その時の両親の寂し気な表情が、さらに癇に障り、酷い言葉を幾度も口にし、酷いときには手をあげたりもした。

 家族が集まるリビングに顔を出すのも面倒になり、何をするにも一人で、部屋にこもっているばかりになった。
 それが心配になったのだろう。それからというもの、両親が手を尽くして私をどうにか外に連れ出そうと試みるようになったのだ。
 犬を飼おうかと相談してみたり、買い物に行かないかと誘いに来たり、たまには家族が起きている間にリビングに来ないかと持ち掛けたり。そのどれもが、扉を挟んでの提案だった。

 そして今、その扉が壊されようとしている。

 長い間鍵をかけて、侵入を拒み続けた結果だ。
 扉が軋むたびに、私の心も同じようにギシギシと音を立てて揺れる。もう、壊れてしまいそうだ。
 力任せにドアノブを引っ張る外から、先生の大きな声が響く。

 「おーい! 出てこないか! いつまでこんな薄暗いところにいるつもりだ?」
 放っておいてほしい。
 どこにいようが、私の自由だ。誰に迷惑をかけているわけでもないのに、嫌だと言う私をこの部屋から引きずり出そうというのだろう。
 その間にも、無慈悲に扉は叩かれる。

 「鍵を開けるだけでいいんだ! 学校にも行けるようになるし、自分の足でいきたい場所にも行けるんだぞー!」

 「先生……あの、近所の目もありますので……」

 時折、母の弱々しい声が届く。

 滑稽な話だ。
 何をされても私の心が動かずにいることに痺れを切らし、更生施設のスクールに電話をして、この野蛮な人間を呼びつけたのが、当の彼女だというのに。

 大きな物音にも慣れてきてしまい、戸惑う母の声を聴いてニヤニヤと笑っていたときだった。恐れていたことが起きてしまった。
 鈍い、バキッという音がした。私は慌てて視線を上げると、蝶番にぶら下がるようにひしゃげた扉の向こうに、筋骨隆々の男と、目を丸くして部屋の中を覗く母と父がいた。
 私の城が踏み荒らされていく。
 我慢がならなくなり、今まで震えていた足にも無意識に力が入り、自分でも驚くくらいに力強く立ち上がって、扉の向こうに体当たりを仕掛けた。

 「こないで! はいらないでよ!!」

 肉の壁となる〝先生〟の胸板に阻まれ、私の力では到底太刀打ちできない。
 丸々とした腕に体を掴まれて、押し返しても、叩いてもびくともしない。母に掴みかかろうと手を伸ばすが、それすらも容易く無効化されてしまうのだ。

 「落ち着きなさい、ほら!」

 私の顔が見えたことが嬉しいのか、先生は気味の悪い笑みを浮かべて私をぐいぐいと自分の方へと引き寄せて、誇らしげに母と父に言う。

 「ほらね! お嬢さんだってこんなに元気になれるんです。いくら彼女が、ここにいたいと言っても、それを本気にとらえてはいけないんですよ!」

 何を言っているのだこいつは。
 怒りと元気の区別もつかないのだろうか。

 ぐうっと喉が鳴る。

 いくら騒いでも、いくら暴力に頼ろうとしても、どれもこれも蟻を指先で押すようにつぶされてしまう。誰も私の味方になってくれるような人はいない。目の前には肉ダルマ。その後ろには、自分の意見すら言えていないのではと思わせる母。隣には、眉間にシワを寄せる父。
 自分の娘を何だと思っているのだろうか。嫌だと言うのに、耳を傾けももらえないのか。
 無駄なことを考えていると、抵抗する力が弱まってしまっていたのか、私の体が宙に浮いた。重力に逆らい、軽々と太い腕に持ち上げられる。
 そうなっても、今の私は「もうどうにでもなれ」とすべてを投げ出した。

 「お嬢さんもわかったようですね。必ず、ワタシが彼女を更生させてみせますよ!」

 鼻息も荒く、両親に言う先生。
 言われるがままに、とまどいつつも「よろしくお願いします」と頭を下げる親。

 私は生まれ変わりたくなんかないのに。このままの私を愛してほしいのに。初めはみんなわかってくれていたのだと思っていたのに、結局は周りに溶け込まなければいけないのだろうか……自分を殺してまで。

 よいしょ、と先生が私を抱えなおす。両手足は力なく垂れ下がり、このあとどうなってしまうのかを考える。無理やり家から連れ出され、壊れた扉の修繕費はもらえるのだろうか。
 ぼんやりとそんなことを思いながら、自室を連れ出されていくときに、ちらりと視線を両親に送った。

 揃って、心配が滲みだした表情で私たち二人を見ている。

 その心配は誰に、何に向けられているのだろうか。
 扉の修繕費なら、相手の会社に請求しても構わないとは思うけれど。

 静かな家の中で、先生の大きく耳障りな声だけが響いていた。


2017年4月14日 金曜日 おいなり